「ロリポップ」「さくら」「エックスサーバー」のスタンダードプラン比較
カテゴリ:レンタルサーバー比較
この記事では人気の共用レンタルサーバーである「ロリポップ」「さくら」「エックスサーバー」を比較していきたいと思います。
今回、共用レンタルサーバー選びでポイントとした要素は以下になります。
- 料金
- スペック
- 独自ドメイン/サブドメイン
- CMS
- プログラミング言語
- データベース
- SSL証明書
Note
以下は 2024/4/19 時点での情報を基に記述しています。
料金
レンタル共用サーバーの場合、一般的には月額100円~10,000円以内になります。 価格の差は、主にサーバーのスペックやプラン、1つのサーバーあたりの人数などによるものでしょう。 とはいえ、多くのレンタルサーバー会社はディスク容量以外はサーバーのスペックの詳細はあまり公開していません。 ディスク容量はプランにより変わる(上位のプランほど増える)のが一般的です。
パフォーマンスに関しては実際に試用して比べてみるか、短い期間で契約しておき、気になるようなら他の会社に変更するという方法も考慮しておきましょう。 注意したいのは必ずしも安かろう悪かろうではなく、低下価格だから悪い(高額だから良い)というわけではありません。 例えばさくらは低価格ですが、確かに高パフォーマンスとは言えませんが普通のアクセス数であれば特段問題なく、入門用のレンタルサーバーとしてはいいかもしれません。
一方、エックスサーバーは料金を見ても明らかなようにこの中ではワンランク上のサーバーとなります。パフォーマンス重視の方のために比較対象に入れてみました。
また、今はロリポップ!もかつてのように格安ではなくなり、高スペック化の傾向にあります。さくらとエックスサーバーの中間くらいに位置するバランスの良い存在となっています。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
年額 | 9,240円 | 5,238円 | 13,200円 |
1年払いの1ヶ月あたりの金額 | 770円 | 437円 | 1,100円 |
初期費用 | 1,650円 | 1,048円 | 3,300円 |
※料金は消費税込みのものです。
Note料金は通常料金で掲載・比較しています。キャンペーンで特定のプランが割引料金になる場合がありますが、一時的なものであるため除外しています。
スペック
共用サーバーではサーバーの詳細スペックを公開しているところは少ないですが、CPUのコア数やメモリ容量を公開しているところはあります。(エックスサーバーなど) 但し、サーバーのスペックが高くても何人が共用するかによってもパフォーマンスは変わってくるため、一概にスペックを見て判断もできません。
唯一公開されているのはディスク容量ですが、これはプランにより決まっています。 たとえ100GBあっても動画サイトやショッピングサイトなどのように大量の画像を扱うサイトでなければ、実際には10GBも使用しない場合が殆どでしょう。
ディスクアクセスのパフォーマンスのを大きく左右するのはSSDかHDDかですが、今回比較した3社のスタンダードプランはいずれもSSD 300GBでまったく同じです。
また、ディスクの冗長化機能であるRAIDも3社ともRAID10採用であり、こちらも違いはありません。スペック面においては各社、非常に拮抗していると言えます。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
ディスク | SSD 300GB | SSD 300GB | SSD 300GB |
RAID | RAID10 | RAID10 | RAID10 |
※RAID10(ミラーリング+ストライピング)
独自ドメイン/サブドメイン
本格的なWebサイト(特にアフィリエイトサイト)を運用するには独自ドメインが必須になります。 レンタルサーバーでは独自ドメインやサブドメインを設定できますが、プランにより登録できる数に制限がある場合があります。 サイト量産の場合は、エックスサーバーのように独自ドメインが無制限のサーバーが向いています。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
独自ドメイン | 300個 | 200個 | 無制限 |
サブドメイン | ドメイン毎に500個 | ドメインとしてカウント | 無制限 |
CMS
CMSはコンテンツマネジメントシステムの略で、Webサイトの作成や設定、記事や画像の追加機能を備えたWebサイトのためのパッケージ化されたソフトウェアで、代表的なものとしてはWordPressが有名です。 ここでは管理画面からのCMSの自動インストール(簡単インストール)に対応しているCMSを比較してみます。
WordPressは殆どのレンタルサーバーが対応しています。 他のCMSとしては、Wikiやショッピングサイト用(EC-CUBEなど)のものがあります。 なお、自分でWebサイトを1から作る場合はCMSは必要ありません。 サブドメインなどでブログを簡単に作成したい場合は考慮に入れておいてもいいでしょう。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
CMS |
|
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プログラミング言語
共用サーバーにおけるプログラミング言語とはサーバー側で使用する言語です。 一昔前であれば、CGI(共通ゲートウェイインターフェイス)にはPerlが使用されていましたが、今はPHPが主流です。 他にRubyやPythonなどがあります。 これらはいずれもApacheで実行できる言語であり、このため多くのレンタルサーバーではWebサーバーとしてApacheを採用しています。
IISを使用していればC#、Tomcatを使用していればJavaが使用できますが、これらが使えるプランは殆どありません。 WindowsやTomcatの共用サーバーとしては例えば1stレンタルサーバーがあります。
ある程度の規模のWebサイトを構築する場合は、データベースとの連携は必要になってきますし、何らかのサーバーサイド言語が必要になってくるでしょう。
また、PHPのモードにはCGI版とモジュール版があり、モジュール版の方が処理が高速で低負荷です。またモジュール版に近いパフォーマンスを発揮するFastCGIというモードもあります。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
言語 |
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データベース
データベースは文字データやバイナリデータを専用の命令(SQL文)で保存したり読みだしたりできるソフトウェアです。 一般的にはMySQLやPostgreSQLが採用されています。 使用できるデータベースはレンタルサーバーのプランによっても変わる場合があります。
一般的に低価格のプランではMySQLのみ、上位のプランではPostgreSQLが追加されます。 PostgreSQLは追記型のデータベースであるため、MySQLよりもディスク使用量が多くなりますが、安定性に長けています。
レンタルサーバー選びのポイントとしては、データベースの操作用のWebアプリであるphpMyAdmin(MySQL用)やphpPgAdmin(PostgreSQL用)等が使用できるかです。 UI上からかなり細かなデータベースの操作が実施(テーブルの表示や修正、SQL文の実行、バックアップなど)でき、あるのとないのとでは大きな違いがあります。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
データベース |
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※()内は作成できるデータベース数
SSL証明書
SSL証明書(正確にはTLS証明書)は、WebブラウザとWebサーバ間の通信を暗号化するために必要になります。 一昔前であればSSL証明書は銀行サイトやショッピングサイトなど個人機密情報を扱うサイトで使用されていましたが、現在はGoogleが常時SSLを推奨している事もあり、個人サイトでの導入が広まっています。 それに合わせてSSL証明書の低価格化も進んでいます。
SSL証明書には、暗号化の他にどこまでを認証局(CA)が保証するかにより以下の3つのレベルがあり、下になるほど高額になります。
DV証明書 | ドメインが実在するかのみ確認 (DVはDomain Validationの略) |
---|---|
OV証明書 | ドメインと組織が法的に実在するかを確認 (OVはOrganization Validationの略) |
EV証明書 | ドメインと組織が法的および物理的に実在するかを確認 (EVはExtended Validationの略) |
なお、OV証明書とEV証明書は法人が対象となり、個人の場合はドメインのみの実在を証明するDV証明書しか取得できません。 証明書の他の要素としてマルチドメイン対応(ワイルドカードの使用)か否かで大きく価格が異なります。
いくつかのレンタルサーバーでは特定の認証局と提携しており、レンタルサーバーと一緒に契約できる場合もあります。 SSL証明書は認証局によって大きく価格が異なりますが、さくらインターネットやエックスサーバーなど、現在いくつかの共用レンタルサーバーでは無料のSSL証明書を用意しています。
追記:
ロリポップ!もLet's Encryptによる無料SSLサービス提供を始めたようです。
Note 無料化の理由はLet's Encryptのブランド名で非営利団体の ISRG(Internet Security Research Group)が認証局となっている証明書を使用しているためで、セキュリティ上、有料のものと比べても違いはありません。特に理由がなければLet's Encryptで良いでしょう。
ロリポップ! | さくら | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | スタンダード | スタンダード |
SSL証明書 |
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※共有SSL証明書はレンタルサーバーが提供するドメインにのみ使用可能です。独自ドメインには使用できません。
お勧めのレンタルサーバー
今回比較したレンタルサーバーはそれぞれに利点があるため、目的や好みに応じて選択していただければよいかと思います。
コストパフォーマンス重視なら、ロリポップ!のスタンダードプラン。
長期契約での料金重視なら、さくらのレンタルサーバのスタンダードプラン。
パフォーマンス重視なら、エックスサーバーのスタンダードプラン。
なお、個人的には料金と性能のバランスが良く、契約からサーバー設定までが1つの管理画面で行えるロリポップ!が好みです。
公開日時:2021年07月11日 14:28:50
最終更新日時:2024年04月19日 08:20:45